Lifull

Earth Cuisine
- PROUD LIBERICA COFFEE -

食べることが地球のためになる、地球の新たな食材を見つけるプロジェクト“地球料理 Earth Cuisine”。第四弾はPROUD LIBERICA COFFEE。LIFULL DESIGNでは、プロジェクトのコンセプトワークから、レシピ開発、ロゴ、パッケージデザイン、オープンデータ資料の制作まで担当いたしました。

background

フィリピンのコーヒー農家の慢性的な貧困問題

世界中で愛され、人々の日々の暮らしに欠かせないコーヒー。世界的にも消費量は増加傾向にあり、それに伴い大きく市場も成長し続けています。
その一方で、かつてのコーヒー大国フィリピンでは、輸出競争の激化や、コーヒーの葉の光合成機能を奪う「サビ病」の蔓延、外資コーヒーチェーンの進出などにより、自国内のコーヒー生産量は著しく低下し、コーヒー農家は慢性的な貧困状態に陥っていました。
私たちは、フィリピンで古くから愛されてきた希少なコーヒー「リベリカ種」をフィリピンコーヒーの象徴として復活させることができないかと考えました。

※出典: INTERNATIONAL COFFEE ORGANIZATION 「Domestic consumption - Crop Year」と「Total production - Crop Year」より作成 ※1 フィリピン統計局の調査によるフィリピンの5人世帯平均年収(2018年) ※2 Nestle Philippinesの調査によるフィリピンのコーヒー農家の年収を元に5人家族中3人が従事している場合として算出。(2020年) ※3 フィリピン開発研究所が定める「5人世帯の月収別所得階層ライン」を12倍にした数値(2018年)

idea



コーヒー業界は不透明が故の問題を数多く抱えており、その一つがコーヒー農家の貧困問題です。私たちは、コーヒー農家の新たな収入源となる商品の開発と、あらゆる点で「透明性」を追求した新たなコーヒー体験をつくることが、業界構造を変え、農家の貧困問題を解決するための必要不可欠なポイントであると考えました。

execution

コーヒーノキの廃材を活用した
透明性でできたまったく新しいコーヒー体験

私たちは生産の過程で生まれる廃材の可食化に成功。新たな価値をもたらす透明性の高いシロップを開発し、賛同企業様とともに新たなコーヒー体験を広げることで、フィリピンのコーヒーに新たな需要を生み出し、フィリピンコーヒーに関わるすべての人が誇ることができる解決方法を目指しました。

PROJECT LOGO コーヒー農家を照らす太陽

Earth Cuisineのコンセプトである、食べることが地球のためになる、地球の新たな食材を見つけるプロジェクトを象徴的に表現するため、「地球」「食」をシンボリックに描き、対象とするモチーフの未来の姿を描いたロゴマーク。フィリピン国旗にも採用されている「太陽」をモチーフに、花、葉、枝、カスカラの4種の素材でかたどり、このプロジェクトがコーヒー農家の未来を明るく照らして欲しいという想いをこめました。賛同企業様用ロゴの各種データとガイドラインはWEBサイトから自由にダウンロードが可能です。

PRODUCT 廃材に新たな価値をもたらす生豆ゼロのコーヒーシロップ
PROUD LIBERICA COFFEE SYRUP

ワールドバリスタチャンピオンの井崎氏とともに、生豆生産の過程で生まれるリベリカ種の廃材(花、葉、枝、カスカラ)を用いた4種のコーヒーシロップ「PROUD LIBERICA COFFEE SYRUP」を開発、企業向け商品として販売しました。パッケージは、コンセプトである「透明性」を体現するためにガラスの瓶を採用し、シロップの色鮮やかな液色が主役になるように最小限のデザインにとどめました。

WEB原価や利益までも開示した透明性の高いデザイン

WEBサイトでは、Earth CuisineのコンセプトとPROUD LIBERICA COFFEE SYRUPの商品情報の他に、商品の原価や農家の利益の情報、さらには製造プロセスやレシピなどを掲載した商用利用可能なオープンデータのダウンロードや、だれでも使用可能な賛同企業様用のロゴデータとガイドラインなど、透明性を追求しあらゆる情報を公開しました。

OPEN DATA 製造プロセスやレシピまでもが商用利用可能なオープンデータ

このオープンデータには廃材の精製方法からシロップへの加工技術、PROUD LIBERICA COFFEE SYRUPを活用したオリジナルのアレンジレシピなどの情報が記載されており、研究・商品開発など様々な商用利用が可能です。多くの企業様にご活用いただくことで、コーヒーノキの廃材により多くの需要を生み出します。

DRINKS透明性を味わう新たなコーヒー体験

このシロップは多くの注目を集め、日本・フィリピン国内の大手カフェ・レストランがプロジェクトに賛同。
国境を越えて様々な形のPROUD LIBERICA COFFEEが誕生しました。

  • Coffee flower Spritz

    コーヒーフラワーの繊細で優しい香りにライチとジャスミンを合わせた1杯。スパークリングワインと合わせて、食前酒に。

    使用シロップFlower

  • Coffee leaf Gimlet

    コーヒーリーフの爽やかさに、浅煎りのコールドブリューコーヒーと複雑なボタニカルを合わせたジンベースカクテル。

    使用シロップLeaf

  • Coffee wood Old fashioned

    コーヒーチェリーとラムを合わせた、ラムレーズンのようなオールドファッションド。コーヒーウッドのスモーキーさがアクセント。

    使用シロップWood

  • Cascara Espresso Martini

    コーヒーカクテルの定番エスプレッソマティーニをCascaraシロップで仕上げた1杯。ラズベリーとカルバドスを加えて華やかに。

    使用シロップCascara

  • BLOOM

    コーヒーの花が一斉に咲く様をイメージ。華やかで個性的な香りのコーヒーを濃いめに抽出し、Flowerシロップとミントシロップで爽やかに仕上げました。

    使用シロップFlower

  • 碧の雫

    ジャスミンティーに柚子とLeafシロップの爽やかで清々しい香りを演出。笹の葉と穂紫蘇で朝露に輝くコーヒーリーフを表現しました。

    使用シロップLeaf

  • 杜のかおり

    ミルクブリューコーヒーにスパイスをプラス。スモーキーなWoodシロップと合わせることでチャイラテを思わせる、スパイシーで深い風味に。

    使用シロップWood

  • CASCARA-ROSE

    Cascaraシロップとローズヒップでコーヒーチェリーの果汁を再現。フルーティーな香りでスッキリとした味わいの水出しコーヒーです。

    使用シロップCascara

  • コーヒーリーフとドライフルーツのミルクブリュー(HOT/ICE)

    ドライチェリーやアップルなどを浅煎りコーヒーと一緒にミルクに漬け込んだミルクブリュー。仕上げにトンカ豆を削ることで全体を甘く上品で特別感のある香りに。

    使用シロップLeaf

  • 煎茶トニック

    Flowerシロップに煎茶の水出しとトニックウォーターで清涼感を引き立たせ、柑橘と山椒の葉をアクセントとすることで、スパークリング日本酒のようなモクテルに。

    使用シロップFlower

  • オリエンタル

    裏メニューのジブラルタルを使用し、Leafシロップには八角とフェンネルシードの風味を加え「オリエンタル」な印象を最大限に引き出しました。

    使用シロップLeaf

  • スモークモカ

    中米ベリーズ産のフルーティーなカカオにWoodシロップを追加。温度変化によっても印象を変えていくコーヒーとチョコレートの醍醐味を詰め込みました。

    使用シロップWood

  • ESPカスカラコーク

    Cascaraシロップに5種類のスパイスの風味を閉じ込め、エスプレッソとソーダを合わせることでどこか懐かしくも新しいコークが完成しました。

    使用シロップCascara

  • Liberica Leaf Tea

    リベリカコーヒーの乾燥葉を使用した爽やかなドリンク。煎茶に似た味わいで、ライトボディでなめらかな口触りの中に感じられるほのかな甘みは、朝や午後の一杯にぴったりです。

    使用シロップLeaf

  • Smoked Coffee Latte

    コーヒー愛好家の味覚を満足させる、大胆かつ風味豊かなラテです。ピートウイスキー、モルト、キャラメルの香りが特徴的。

    使用シロップWood

  • Cascara Cola

    栄養価の高いカスカラの独特で自然な風味とコーラのクラシックな味わいが融合した、爽やかなスパークリング飲料です。

    使用シロップCascara

SUSTAINABLE ECO-SYSTEM 廃材活用から始まる持続可能なエコシステム

私たちは農家、企業、生活者をつなぐ独自のSUSTAINABLE ECO-SYSTEMを開発。これにより、生活者と企業には新たなコーヒー体験・価値を提供し、コーヒー農家は新たな利益を得ることができます。

result

Earth Cusine - PROUD LIBERICA COFFEE -のプロジェクトによって、これまで未活用だった生豆以外の廃材(花、葉、枝、カスカラ)約640万ドル分が原材料として活用可能になり、また、多くの賛同企業様の商品展開により世界中の方に愛されることで、フィリピンのコーヒー農家の収入アップはもちろん、フィリピンコーヒーに関わるすべての人が誇れることになると信じています。 ※リベリカのコーヒーノキの廃材が原材料として取引された場合の推定額(1PHP=0.017406USDで計算。2022/9/20時点のレート)

credit

  • Advertising Agency : LIFULL / PEAK
  • PR Agency : Material Inc.
  • CCO / Creative Director / Planner : 川嵜 鋼平 (LIFULL)
  • Art Director : 増田 貴哉 (LIFULL)
  • Art Director : 桑原 昭弘郎 (LIFULL)
  • Designer : 岡野 颯 (LIFULL)
  • Designer : 藤田 早紀 (LIFULL)
  • Copywriter : 吉岡 崇 (LIFULL)
  • Copywriter : Nao
  • Project Manager : 長田 英里 (LIFULL)
  • Project Manager : 澤井 麻美 (LIFULL)
  • Project Manager : 山崎 晴貴 (LIFULL)
  • Project Manager : 木村 紗希 (LIFULL)
  • PR Manager : 遠山 佳子 (LIFULL)
  • PR : 野尻 翔子 (LIFULL)
  • PR : 鹿野 勝 (LIFULL)
  • Project Manager : 鵜川 将成 (peak)
  • Project Manager / Researcher : 畑 直行 (peak)
  • Researcher : 濱政 翼 (peak)
  • World Barista Champion / Coffee Consultant : 井崎 英典 (QAHWA)
  • Operation Manager / Food Scientist : 広田 聡 (QAHWA)
  • Photographer : 石丸 直人 (Kiminome)
  • Props Stylist : 青山 俊樹
  • National Barista Champion / Project Manager Philippines : Michael Harris Conlin (Henry & Sons)
  • Farm Material Procurement : Edu Baltazar (Henry & Sons)
  • Photography / Video : Erika Samantha Velasco Tiu (Henry & Sons)
  • Researcher / Writer : Jasmine B. Roxas (Henry & Sons)
  • Head R&D : Janine Sabrosa- Diesta (Conlins)
  • R&D Staff : Jizelle Valenzuela (Conlins)
  • Assistant R&D : Kristine Nijaga (Conlins)

  • Provincial Director DTI Laguna : Clarke Nebrao (DTI Laguna)
  • Liaison Personel for Coffee Farms and COOP : Staff at the DTI Laguna Provincial Office (DTI Laguna)
  • Head of COOP : Harrison Boy Diamante (JSACOOP)
  • Lead Farmer : Mr. Felcisimo Portin (JSACOOP)

  • Frontend Engineer : 赤羽 加織

release

2022/09/29

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