洪水・土砂災害・地震
ハザードマップ

不動産ポータルサイト初。LIFULL HOME'Sでは新築一戸建て物件の地図上に『洪水・土砂災害・地震ハザードマップ』の提供を開始しました。LIFULL DESIGNでは、担当した地図のUI・ヒートマップのデザインをご紹介します。

background

自然災害リスクと住まいの問題

近年全国各地で、集中豪雨による水害で住宅に甚大な被害が生じています。国土交通省「災害リスク地域に居住する世帯の状況」（出典：国勢調査及び国土数値情報より国土交通省作成）では、土砂災害・水害のリスクがあるエリアに居住している世帯が約23％あると推計され、不動産取引時においても、水害リスクに係る情報が契約締結の意思決定を行う上で重要な要素となっています。これらの背景を受け、同機関による2020年8月に水害ハザードマップにおける物件の所在地の説明義務化施行に伴い、LIFULL HOME'Sでは同年同月に地図から探す機能に『洪水ハザードマップ』を追加、そして、2021年に『洪水・土砂災害・地震ハザードマップ』を「新築一戸建て物件詳細」に追加しました。
自然災害リスクに対する意識は、2020年に実施した当社調査でも、前年度に比べ「災害に強いエリアかどうか」を調べた人の割合が賃貸・売買ともに5%程度上昇し、売買のカテゴリーでは他項目の上昇があまりみられないなか、最も上昇した項目です。

住み替え・建て替えの際に調べた項目

idea

命に関わる情報だからこそ、
UNIVERSAL DESIGNで
一人でも多くの人に

災害リスク情報は命に関わる情報だからこそ、この取り組みを一人でも多くの人に届けられるように、ヒートマップのバリアフリー対応やアクセシビリティを考慮し開発しました。

execution

住み替え検討中の誰もが簡単に情報を得られるデザイン

契約直前まで知ることが難しかった災害リスクの情報を、住まい探しの検討段階から確認できるようにしました。洪水・土砂災害・液状化・最大震度の４項目の災害リスクレベルを、地図にプロットしてあるヒートマップで分かりやすく見ることができます。ヒートマップはバリアフリー対応を行い、あらゆる人が物件選択の不安を払拭できるようにデザインしました。

災害リスクレベルを確認できる4項目

UI/UX DESIGN災害リスクについて学びながら住まい探し

プロトタイプによるユーザーテストを複数回実施し、知識がない人でも災害レベルを理解できるように直感的なデザインを意識しつつ、説明文も平易な言葉で簡潔にまとめました。災害レベルごとの注意点や物件購入時のチェックポイントなども確認することで、災害について学びながら住まいを探すことができます。

UI Design

UNIVERSAL DESIGNバリアフリー対応したヒートマップ

『洪水・土砂災害・地震ハザードマップ』は、一般色覚の方だけでなく、色覚の障がいを持つ方の見やすさにも配慮し、ヒートマップで用いる色のバリアフリー対応を行いました。従来のヒートマップは、一般色覚の方でも緑色・黄色・橙色の差が分かりにくく、T（3型2色覚）の色覚を持つ方の場合、緑色がグレーに見えるなどの問題がありました。そこで、本ハザードマップでは、形状・サイズ・重ね方などの検証により、それぞれの差が分かりやすい色や柄を採用しています。（特許出願中）
実際に色覚の障がいを持つ方にヒアリングを行い、画面を見ていただきながら色や柄のブラッシュアップを行いました。ヒートマップの箇所のみではなく、アクセシビリティを考慮し、地図内のUIのコントラスト比や文字・ボタンサイズの調整も行っています。

ヒートマップの色比較